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【森谷】第11回:マジョリティとマイノリティ(2)

(第10回を見ていない方は、まずそちらをご覧ください)

 

ご支援先である建築業のB社では、専門職をマジョリティ(幹線)、管理職をマイノリティ(支線)に設定しています。

 

もともと、①専門職志向を持った労働者が多い業界であることに加え、②管理職ポストは不足気味であり、③技術力を強みに生き残りを図ろうとしていたB社には、非常にしっくりとくる制度でした。

これにより、専門職は支線であるというネガティブなイメージを払拭できたため、専門職社員のモチベーション向上につながり、会社の核となるべき管理職への教育投資も効率的に行うことができるようになりました。

 

B社の例は、特殊でもなんでもないと思われます。

 

一般的に、管理職比率は1020%程度です。

高度経済成長の下であれば、世の中の波に乗っていれば会社は大きくなり、役職ポストも増え、魅力付けも可能です。

そんな環境下でない現状では、役職ポストの数は現状維持であり、企業の高齢化(再雇用や定年延長を含む)を考えると役職ポストに就ける確率は減っていると言えます。そこに社員のモチベーションを向けられるでしょうか。

 

組織の作り方について、パラダイムシフトが起きていると言えそうです。

 

執筆者

森谷 克也 | 人事戦略研究所 所長

企業の成長を下支えする人事戦略の策定・活用が図れるよう、
経営計画・人事システム・人材育成を一連で考える
人事戦略コンサルタントとして実績を積んでいる。
企業支援においては、①企業風土(社風、経営理念など)を大切にすること、
②中期的視点(業界環境、管理者レベル等)を持つこと、
③そして何よりシンプルで分かりやすいことをモットーとしている。