人事制度のつくり方

人事制度の基本的な作り方や、サンプル・ひな形・事例などをご紹介します。

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等級制度のつくり方

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等級制度のつくり方

等級制度は、人事制度全体の骨格と言える制度で、ここから人事制度策定がスタートします。

1. 会社としての必要性、社員としての必要性

等級制度を明確にし、社員に打ち出すことは、会社・社員双方に大きなメリットがあります。一般的に言われる「キャリアパス」も、ここに含まれます。下記メリットをしっかりと意識し、策定に取り掛かります。

会 社

  • 期待する仕事レベル(能力、職務、役割など)を明示できる
  • 仕事レベルに応じた賃金が支払いやすくなる
  • 複線型人事制度(コース別人事制度)を併用することで、人事管理が柔軟になる…等

社 員

  • 自分自身のキャリアイメージを描きやすくなり、やりがいにつながる
  • 自分自身の将来設計がしやすくなり、安心感につながる
  • 複線型人事制度(コース別人事制度)があれば、更に多様な勤務志向・キャリア志向を実現できる…等

2. 等級と役職

社員のランクを表すものとして、一般的には「等級」と「役職」があります。能力や役割、職務、成果責任などのレベル・大きさを表したものが「等級」、部長や課長、係長といった組織運営上の役割名・ポストを表したものが「役職」です。

 等級と役職の関係ですが、「等級=役職」といったケースもあれば、同じ役職に複数の等級ランクを認める(等級≒役職)ケースもあります。後者は、役職・ポストに関係なく、能力があれば等級を上げていくことができるため、日本ではこちらを採用している企業が多くなっています。

 ただし、どちらの制度にもメリット・デメリットがあります。非常に簡略化して言えば、シンプルで管理しやすいのは「等級=役職」、柔軟で運用しやすいのは「等級≒役職」ですが、その他にも多くのメリット・デメリットがあるため、経営戦略や組織の状況により、最適な等級制度を選択する必要があります。

等級と役職の関係

<等級=役職の場合>

等級=役職の場合

<役職ごとに対応等級の幅がある場合>

役職ごとに対応等旧の幅がある場合

3. 等級は何段階がよいか

等級は何段階がよいか

弊社で過去に設定した事例をみると、100名以下の企業で6~7等級、数百名規模の企業で7~9等級、1000名以上の企業で8~10等級くらいが標準的です。

 ただし重要なのは、「等級間の違いが説明できるか」「等級を分ける必要があるか」といった、自社にとっての有効性を考えることです。

 例えば、20等級の企業では、12等級と13等級の違いを明確に説明することはできないでしょう。実際に自社の社員を当てはめてみて、等級間の人材に明らかな役割・実力の違いがあるかを確かめてみることが、適正等級数を知るための最も有効な検証方法と言えます。

4. 複線型人事制度(コース別人事制度)を検討する

社員の勤務志向・キャリア志向は、益々多様化しています。昔からある「総合職・一般職」制度に加え、最近では、「専門職」制度に対するニーズが高まっています。
 企業は、社員の平均年齢が上昇すると、役職ポスト不足の問題に直面します。また、管理職の適性はないものの、非常に優秀な社員も存在します。
 そのため、大企業だけでなく中小企業でも、スペシャリスト人材の活用手段として「専門職制度」を導入する必要性は高まっているのです。

 ところが、専門職制度が有効に機能していないケースも多く見られます。上手くいかない一番の理由は、「専門職は管理職になれなかった人」という社内イメージを植え付けてしまっていることでしょう。そのような場合、専門職を「本来の高度専門職」と「管理職候補や熟練技能者」といった形でコース分けをします。その上で、それぞれの定義や処遇格差を明確にするのです。
 今後、ますますスペシャリスト人材の必要性が増していきますので、専門職に対するロイヤリティを高める方向で人事制度を検討すべきでしょう。
 その他のコース設定として、職務・勤務地・勤務時間などを部分的に制限する「限定社員制度」を設けることも検討します。社員は多様な働き方が実現でき、会社は優秀な人材の確保とコストダウンを図ることができます。人事制度を検討する際には、必ず検討しておきましょう。

複線型人事制度(コース別人事制度)例

複線型人事制度(コース別人事制度)例

5. 等級基準書を作成する

等級制度のフレームが固まれば、等級ごとに役割基準・能力基準を設定していきます。その際は、職種別に設定した方が具体的な等級基準になります。全職種共通で設定している場合、どうしても抽象的な表現とならざるを得ないからです。
等級ごとの滞留年数の設定などは、結果的に年功的な昇格につながります。いくらその等級に長年滞留していようとも、上位等級の基準に達しない場合には昇格させないルールが望ましいと言えます。

等級基準書イメージ

基準項目3等級(一般社員)4等級(リーダー)
組織管理・管轄するグループの作業工程に関して、品質/納期/コストを中心に計画通りに進めるための諸管理を行う。
折衝・調整・顧客や他部門の実務担当者と作業内容に関する基本的な打ち合せや調整を自ら行う。・顧客や他部門の実務責任者と円滑な作業進捗に向けた各種の交渉や調整を行う。
問題対応・担当業務上でトラブルが発生した場合は、その解決策も含めて上司に速やかに報告/相談する。・管轄するグループ内で発生したトラブルやクレームに対して、課長と連携を取りながら対応する。
人材育成・グループ内の後輩に対して、業務面の指導やサポートを積極的に行う。・管轄グループのメンバーに対して、各人の特徴や適正を考慮した指導を行う。
リーダーシップ・管轄グループを率先してリードし、メンバーの士気を積極的に高める。
知識・ノウハウ・担当業務を品質/スピードの両面において十分なレベルで遂行できる程度の知識やノウハウを有している。・グループ内の作業工程に関しては、難しい業務にも対応できる態度の業務知識やノウハウを有している。
作業の段取り・担当業務を効率的に進めるために、あらかじめ計画的に準備や段取りを行う。・管轄するグループ内のメンバーに対して、計画的な作業準備や段取りを推進する。
作業管理・担当業務については、基本的には自立的に作業の進捗や品質の管理を行う。
周囲との連携・グループ内の他のメンバーの業務を積極的に支援する。・他部門の実務責任者クラスと積極的に関係構築を行い、必要な協力を引き出す。
業務改善・担当業務上での課題を積極的に見つけて、その改善策も含めてリーダーに提案する。・管轄グループ内の業務改善に関する提案を課長に上申し、その推進に向けて自ら積極的に取組む。