【森谷】第23回:総務部の人事評価(2)
(第22回を見ていない方は、まずそちらをご覧ください)
失敗例③ 人による差をつけるため、無理やり相対評価をした
人事評価の評語(SABCD)を決定する際、一般的にはSAが25%、Bが50%、CDが25%程度で枠を定め、正規分布にて相対調整を行うことが多いかと存じます。
営業職のように成果が計りやすい職種であればいいのですが、総務は社員間の能力の差を認識しづらい職種であり、かつ少数であることが多いことから、無理やりこれに当てはめようとすると必ず無理が生じます。
(解決策は失敗例④と併せてご紹介します)
失敗例④ 点数の高止まりを抑えるため、評価基準を辛くした
「決まったことをキチンとやる」タイプの職種である総務は、よほどのことがない限り減点評価をしづらいものです。一方、営業職などは業績により評価点が大きくブレますので、業績が芳しくない時は「点数上位を総務が占めてしまった」などということも多いのではないでしょうか。
解決策として、
①B評価の割合を多くする:
営業がハイリスクハイリターン型の処遇制度だとすると、総務はローリスクローリターン型の処遇制が適しているので、実は問題ない
②総務は総務のみで評語を振る:
点数が高めに出ていたとしても問題にならない。営業では50点がB評価で、総務では70点がB評価といったぐあい。
③絶対評価にする:
評価者がしっかりしていることが前提
ある程度割り切った評価制度にしたとしても、その理由さえ明確であれば社員は納得します。
職種特性を十分に踏まえた人事評価にすることが大切です。