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【小田原】能力等級における「発揮能力」と「保有能力」

今回は等級制度について考えてみたいと思います。

等級制度は「能力等級」「役割等級」「職務等級」の3つがありますが、その中でも日本企業で最も多く採用されている「能力等級」について考えてみます。

 

能力等級を採用する際に話題になるのが、能力とは「保有能力」なのか、「発揮能力」なのかという点です。

 

まず、保有能力について考えてみます。

保有能力については、一般的に言われる理論と実践において乖離が発生するように思います。

【理論で言われていること】

 ①能力が落ちることはない。従って、等級の降格もない

 ②発揮の有無に関わらず、「保有能力」が上がれば等級も上がる  

【実践上困ること】

 ①実際、年齢の経過やモチベーションの低下により、パフォーマンスが落ちることはあるが、「保有能力」としているので降格できない

 ②発揮されていない保有能力をどうやって判定するのか分からない。結果として年功的に上がってしまう

 

このように、実践上困る事ことを懸念して、「自社では発揮能力を見る」とするケースも多いように感じます。

 

では、こうして採用した発揮能力をベースとした等級は上手く行くでしょうか。

現実に運用して困るのは、等級の要件として「マネジメント力を発揮しているか」を問われる等級であっても、配置の関係で部下を実際に持たないケースです。(特に残業時間対象の階層では、実際に部下を持つ人と持たないケースが混在することが多い。)

この場合、「発揮能力」とするのであれば、マネジメント力が求められないポジションへ配置される際には、等級を落とすことになってしまいます。しかし、実際にはそのような運用は行わず、「発揮能力と言いながら、能力が発揮されていなくても降格がない」といった、曖昧な運用がなされることになってしまいます。

 

以上を踏まえて、私の推奨するのは以下の考え方です。

・役割等級的要素も入って構わないのであれば、発揮能力を採用する。そうでなければ、保有能力を採用する

・ただし、保有能力については、「“過去に1度も発揮されたことがない能力”、“発揮できる場面があっても発揮されていない能力”については、保有能力として認められない」という定義とする

 

保有能力をこのように定義することで、実践上困ることもなくなるでしょう。

 

皆様の会社の能力等級は「保有能力」ですか。それとも「発揮能力」ですか。

これを機に、自社の実態の振り返りと、しっかりとした理屈づけを行ってみてはいかがでしょうか。

執筆者

小田原 豪司 | 人事戦略研究所 シニアコンサルタント

大学で経営学全般を学ぶなか、特に中小企業の「ヒトの問題」に疑問を感じ、新経営サービスの門をたたく。
企業の「目的達成のための人事制度構築」をモットーに、顧客企業にどっぷり入り込むカタチで人事制度策定を支援している。