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【森中】思い出の評価シート(2)

(第1回を見ていない方は、まずそちらをご覧ください)

 

評価項目①好感接客:笑顔で明るく、落ち着いて丁寧な接客ができていたか

評価基準:1.お客様によっては無愛想で失礼な対応をしていることもあった 

     2.努力は見られるが、苦手意識から消極的な対応になる場面が多かった

     3.好感接客の基本が身に付いており、第一印象で好感を持っていただける

       ことが多かった

     4.お客様のタイプに合わせた臨機応変な対応ができており、優秀であった

     5.スキルはもとより好感接客に対する意識が非常に高く、模範的であった

 

 修正案について、社長からは「そうそう、これなら現場で店長がスタッフを評価するときも、イメージしやすいよね」と合格点をいただけたのでした。

 

 その後、他の評価項目も同様に作成していき、現場の店長の意見も取り入れながら微修正を繰り返したり、評価基準の解釈の仕方がぶれないように評価者研修を行うことで、正式リリース後はA社で比較的スムーズに浸透しました。今にして思えば、「もっとこうできたな」という改善ポイントは多いものの、私にとっては非常に思い出深い評価シートです。

 もちろん、今回の話は数ある評価シートの作り方の一つでしかなく、シンプルに作った評価シートでは上手くいかないということではありません。しかしながら、一つのやり方として、経営者が本気で想いを込めて作った評価シートというものは必ず良い形で社員に浸透すると、ある種の確信をもって言えます。

 作った評価制度が馴染まない、浸透しないとお悩みの経営者、人事担当者の方は一度参考にしてみられてはいかがでしょうか。手間暇はかかりますが、その分運用する側にとっても愛着の湧く、良い評価シートになるはずです。

執筆者

森中 謙介 | 人事戦略研究所 マネージングコンサルタント

人事制度構築・改善を中心にコンサルティングを行う。初めて人事制度に取り組む中小企業がつまづきやすいポイントを踏まえ、無理なく、確実に運用できるよう、経営者に寄り添ったコンサルティングを旨としている。