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【森谷】第19回:中小企業の教育体系(2)

(第18回を見ていない方は、まずそちらをご覧ください)

 

中小企業で必要なのは、「教育体系」ではなく「教育計画」だと感じます。

 

①教育体系の定義

企業(組織)が安定的に運営されることを想定し、毎年ほぼ一定の昇格や代謝(入社&退社)が行われることを前提にした場合の、社員育成の仕組み

 

②教育計画の定義

企業(組織)が目指す姿に向かうにあたり、現状とのギャップを埋めるために必要な人員(人材レベル×要員数)を想定し、そのギャップを埋めるための社員育成の仕組み

 

噛み砕きます。

 

①は大企業をイメージしてください。

・毎年、一定量の新卒入社がいるため、新入社員教育を内製化してプログラムにしておき、定例の年間スケジュールに組み込んでおく

・毎年、一定量の新任管理職が誕生するため、初級管理職研修をプログラムを定例の年間スケジュールに組み込んでおく

といったイメージです。

 

②は中小企業をイメージしてください。

・自社の理想の管理職レベルを設定し、現状のレベルを判定し、そのギャップを埋めるための施策・方法・スケジュールを立て、中期経営計画や年間計画に落とし込む

・自社の営業職の課題を洗い出し、優先順位をつけ、優先順位の最も高い課題をクリアするための教育業者を選定し、○月と○月に研修を実施する

 

当然、大企業でも②はあります。が、中小企業で①は難しいですね。

執筆者

森谷 克也 | 人事戦略研究所 所長

企業の成長を下支えする人事戦略の策定・活用が図れるよう、
経営計画・人事システム・人材育成を一連で考える
人事戦略コンサルタントとして実績を積んでいる。
企業支援においては、①企業風土(社風、経営理念など)を大切にすること、
②中期的視点(業界環境、管理者レベル等)を持つこと、
③そして何よりシンプルで分かりやすいことをモットーとしている。