人事制度のつくり方

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経営戦略・事業戦略③

 前回に続き「経営戦略や事業戦略」をテーマに、各会社の戦略パターンに応じた人事施策のポイントを紹介します。前回までは、「価値基準による基本戦略類型(マイケル・トレーシーとフレッド・ウィアセーマ)」のうち、「製品リーダーシップ」「卓越したオペレーション」について紹介しました。今回は、3つ目の戦略パターンで「顧客との親密さ」について紹介します。

 

 「顧客との親密さ」は、いわゆる「顧客ロイヤリティ追求型」で、顧客ロイヤリティ(特定の企業や製品・サービスに対する高い信頼感や忠誠心)を築き上げることを追求することで他社との競争優位性を築こうとする戦略です。クレド等で有名なリッツカールトンがその代表例でしょう。

 この戦略を下支えする人事施策のポイントは、顧客と直接対峙する現場社員のモラルやモチベーションをいかに高めていくことができるかという点にあります。

 社員一人一人が、自らの意思と責任をもって、顧客満足を高めるための判断・言動・立ち居振る舞いができるかが重要となります。そのためには、社員に対して一定の権限や裁量を与えることが必要になってきます。かといって、各人がバラバラに動いていたのでは会社としてのサービス品質にバラつきが出てきてしまいます。そこで、会社として大切にしたいこと、社員に求める考え方や行動を、例えばクレドのような形で明確にし、その考えや価値観を浸透させていくことが重要となります。そのため、社員行動基準の唱和・小冊子化、価値観に基づく行動の評価・事例共有、オフサイトミーティングでの議論等の施策が重要となってきます。

 「顧客との親密さ」を競争優位とするのであれば、「現場への権限委譲」や「価値観や行動基準のベクトル合わせ」に資する人材マネジメントが行えているか、あるいは阻害する環境になっていないか一度チェックしてみましょう。

 

 以上、3回にわたり、各会社の戦略パターンに応じた人事施策のポイントを紹介してきました。各社が3つの戦略パターンのいずれかに完全に当てはまるものではないかもしれませんが、自社の戦略(どうやって他社と差別化しようとしているか)にあった人事施策を考えるヒントになればと思います。