人事制度のつくり方

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採用競争力の向上に向けた「賃上げ」について

業界や職種にかかわらず、広く人材の採用にあたっては、賃金さえ高ければよいというわけではない。応募者が入社可否を判断する際の要素としては、仕事の内容/期待される役割/会社の雰囲気/業界におけるプレゼンス・・・など多岐にわたるからである。もちろん、そうは言っても、やはり賃金水準が重要なポイントになることは間違いない。明らかに競合他社よりも賃金水準が劣っている場合、自社に興味を持ってくれた人材がいたとしても、最後の段階で”採り負けてしまう”ことになりかねない。

例えば、中堅クラスのシステム開発のお客様から何度か耳にした話であるが、かつては自社と同規模クラスのシステム会社が主な採用ライバルであったものの、最近では外資系のコンサルティング会社が競合相手になってきているとのこと。その理由としては、一つに、IT系のビジネスにこれまで以上に注力する外資系コンサルが増えてきているという背景がある。

また、仮にIT系ビジネスを展開していないコンサル会社であっても、相対的に論理的思考力の高いIT技術者については、コンサルタント候補として非常に魅力的な人材であるということも、もう一つの要因として挙げられる。
そのような外資系コンサルが、自社よりもかなり高い報酬水準で積極的に採用をしかけてくるので、実際の採用局面では”競り負けてしまう”ことが増えてきているのである。

以上のような実例を鑑みても、もちろん外資系のブランド力もあるとは思うが、やはり賃金水準は採用に際して無視できないキーファクターであることが、改めて認識できる。従って、いずれの企業にとっても、自社の賃金水準を少なくとも「業界平均レベル」までは維持しておきたい(できれば平均を超えておきたい)というのは、特に最近の”超”人手不足の労働市場を踏まえると、当然のニーズである。

しかしながら、承知の通り、簡単に賃金水準を引き上げられるのであれば、経営者も人事担当者も苦労はしない。安易に賃金を上げてしまうと、経営自体に大きな負のインパクトをもたらす恐れがあるからである。
従って、採用競争力の向上に向けて、自社の賃金水準の底上げを図りたい場合であっても、まずは「本当に引き上げる必要があるのか?引き上げることができるのか?」という観点で、十分な調査や検討を行うことが必要である。

次回のブログでは、賃金水準引き上げに向けての具体的な検討ステップについて、解説することとする。