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【森中】思い出の評価シート(1)

 どんなコンサルタントにも初めて担当したクライアントがあり、それぞれに印象深いエピソードがあるのではないでしょうか。

私の場合は入社2年目に担当先ができ、幸運なことに今でもお付き合いが続いています。仮にA社としますが、今回はA社での評価シート作りの経験をお話しします。

 店舗小売業であるA社の社長は人材育成に熱心で、評価シートを作って社員教育に活かしたいと考えていました。一緒に評価項目を検討する中、「基本は好感のもてる接客が大事」とのことで、私が最初に提案した評価項目は次のようなものでした。

 

 評価項目①好感接客:好感のもてる接客ができていたか

 評価基準:1.全くできていない

      2.できていない

      3.できている

      4.よくできている

      5.模範的

 

 これを見た社長からは開口一番、「そうだけど、なにか違う。心がこもっていない」と言われました。先輩に相談すると、「自分で考えてみなさい」と、答えは教えてくれません。大変困りましたが、幸いにして時間がたくさんあったので、現場の仕事を実際に見せてもらいながら、A社における社長の目指す好感接客がどういうものなのか、どう表現すれば良いのかを自分なりに考え、2週間ほどかけて次のような評価基準に修正しました。

 

(第2回に続きます)

執筆者

森中 謙介 | 人事戦略研究所 マネージングコンサルタント

人事制度構築・改善を中心にコンサルティングを行う。初めて人事制度に取り組む中小企業がつまづきやすいポイントを踏まえ、無理なく、確実に運用できるよう、経営者に寄り添ったコンサルティングを旨としている。