【森谷】第14回:人事制度の“見える化”と“見えない化”
人事制度を作る際のポイントとして、「オープン」「シンプル」というキーワードがあります。
できる限り「オープン」にして公正さを追求し、そのためには「シンプル」でなければ社員は理解できない、という理屈かと思います。
人事制度の“見える化”ですね。
ただし、ハイパフォーマーに対しては逆の側面があり、一部“見えない化”をしておいた方が機能したりします。
例えば、賞与の支給額がS評価:60万円、A評価55万円、B評価50万円…と決まっているとします。
一般的な社員は、「評価に基づき適度な差をつける制度」と理解しますが、ハイパフォーマーは「頑張っても上限は60万円か…」と考えます。
いくら成果をあげてもルール内でしか評価・処遇されず、その水準が成果に見合わないと思えば、ハイパフォーマーのモチベーションアップにはつながりません。
例えば賞与制度であれば、特別賞与などの名目で支給額無制限の枠を設けておきます。
大きな成果を挙げた場合は、S評価の支給額の倍になってもOK、という制度です。
ハイパフォーマーはそれを受けて更に発奮するでしょうし、それが相当の金額であれば変に口外したりもしないでしょう。実に有効な人件費の使い方です。
2:8の法則に当てはめるなら、「2には夢を、8には安心を」が、中小企業の人事制度のセオリーと言えます。
貴社の人事制度はいかがでしょうか?