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【森谷】《人事よもやま話》 従業員世襲制

中小企業かつオーナー企業の多くは、社長は世襲で受け継がれていきます。

なぜでしょうか?

 

・経済資本を一族に受け継がせる。その経済資本があれば幸せになれるため。

・社長という地位があれば、有意義な人脈を構築できる可能性が高く、

 幸せになれるため。

・株価など企業価値が高いと、他人がそれを買ってくれないため

 (相続の方がハードルが低いため)。

・何となく、それが当たり前と思っているから  …等々

 

色々と理由はあるかもしれませんが、

子供のために会社をより良くしようという意識が働き、

実際に会社が良くなり、

引いては従業員の幸せにつながるなら、世襲は大歓迎です。

 

これは、従業員にも適用できるのではないでしょうか?

 

自身の血縁者が自社で働くことを前提に考えると、

会社を良くしようと必死に働く人が増えるはずです。

ひょっとすると、「我が子が将来、どんな職業に就くか分からない」状態と比較すると、効率的な教育投資ができるかもしれません。

 

学生アルバイトとして雇えば、人手を確保するのも容易になるかもしれません。

そのまま入社してもらえれば、初期教育の費用は安くすみそうです。

(時間給の安いアルバイト時代に初期教育を済ませられるため)

そもそも、採用コストがかかりません。

自宅で会話を重ねることで、暗黙知も継承できそうです。

(これが労働時間に当たるか否かの判例はあるのでしょうか?)

扶養にまつわる労務管理も格段に精度が上がります。

もし社内恋愛で結婚すると、家族の輪が広がり、一体感が益々増しそうです。

 

困ることと言えば、社内に同じ苗字の人が増えることでしょうか。

 

もちろん、子供には職業選択の自由がありますし、職業適性があるとは限りませんが、確率論として良い会社になっていく気配がします。

 

筆者がまだお客様に提案できていない夢の仕組みですが、

一緒に考えていただける方はご一報ください。

 

執筆者

森谷 克也 | 人事戦略研究所 所長

企業の成長を下支えする人事戦略の策定・活用が図れるよう、
経営計画・人事システム・人材育成を一連で考える
人事戦略コンサルタントとして実績を積んでいる。
企業支援においては、①企業風土(社風、経営理念など)を大切にすること、
②中期的視点(業界環境、管理者レベル等)を持つこと、
③そして何よりシンプルで分かりやすいことをモットーとしている。