【森谷】人事ポリシー⑧
人材マネジメント方針について、採用、定着と代謝につては前回お話しましたので、残りについて確認してきます。
「配置」については単純で、ジョブローテーションを積極的に行うか否かの方針になります(適材適所の配置を行う、といった事はどの会社でも当てはまりますので方針とは言えません)。
適性検査などで適材適所の人材配置の判断ができれば理想ですが、そんなに都合のいいものはなく、現実的にはジョブローテーションにより実際にその仕事をやらせてみて見極めていくしかありません。
ただし、ジョブローテーションを積極的に行うということは、常に一定の未習熟人材を抱えるということにもなりますので、短期的に労働生産性を落とすことになります(長期的には労働生産性がアップしますが)。
それを飲み込んででも積極的なジョブローテーションを行うか否かを方針にするとよいでしょう。
「育成」については、ここで述べるには観点が多すぎますので、ポイントのみ整理させていただきます。
・人を成長させるのは、「経験学習」であり、仕事そのものを通じて得られることが多い
・仕事が単なる「経験」で終わるのか、「経験学習」になるのか、直属上司が果たす役割は大きい
・Off-JTや自己啓発は、あくまでキッカケに過ぎないが、それでも重要度は高い
・これらを十分に踏まえ、いかに環境を準備していくかが育成の方針になる
短い文章の中ですので、偏りや抜け漏れの多い内容ですが、ご了承ください。
最後に「外注」ですが、これは意外と重要なキーワードです。
例えば、企業にとって法務は重要ですが、だからと言って弁護士を雇用している企業はほとんどありません。これは極端な例だとしても、人材を社内で抱えて固定費にするより、外注して変動費としておく方が効率的なことは多いものです。一般的には、
・士業やコンサルティングに代表されるような、高度専門分野
・一部の業務請負や派遣に代表されるような、単純作業の分野
が外注化しやすいと言えます。
自社で習熟度を上げる必要のない分野は、積極的に外注を検討してみるとよいでしょう。
以上、8回にわたって人事ポリシーについて述べてきました。雲をつかむようなお話も多いかもしれませんが、何か一つでもキッカケになれば幸いです。