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【小田原】在宅勤務の今こそ「パーキンソンの法則」を知ろう《後半》

前回までは、「在宅勤務(テレワーク)」による長時間労働助長の可能性と、その対策として活用できる「パーキンソンの法則」について簡単にご紹介しました。今回は、パーキンソンの法則を活用した具体的な対策をご紹介します。

パーキンソンの法則を活用した具体的な対策としては、「11つの作業時間をあらかじめ決め、時間が来たら強制終了する」というのが効果的です。コツとしては、なるべく細かくタスクを分けることです。「5時間でここまでやる」とするよりも、「1時間でここまでやる」と設定する方が良いです。前者では、「まだ5時間ある」と考えることで序盤の効率性が落ちてしまう可能性が高く、結果的に、終盤になってあせるが追い付かないということが想定されます。

具体的な例をあげると、「資料作成」という作業も、「必要情報の収集」「構成の作成」「ラフ案作成」「文章の校正」「レイアウト調整」「最終確認・調整」といった具合に細分化することができます。このように、作業を細分化し、それぞれの作業ごとに時間を設定しましょう。

出社する場合では、お昼休みの時間、打ち合わせの時間、営業訪問の時間等決められているので、ある程度、時間の区切りがあります。しかし、在宅では上記のような区切りが減りがちになりますので、より意識的にこうした施策を取ることが重要です。

 

少し余談になりますが、日々、我々が携わっている人事制度策定にも、パーキンソンの法則があてはまると強く感じます。プロジェクトを進めている中で、「やっぱりこうした方が良いのでは?」という意見が、プロジェクトの終盤に差し掛かって出てくることが多く感じます。これまでに確認や意見を述べる機会はいつでもあったにも関わらず、このようなことが発生します。メンバーが検討段階で真剣に考えていなかったというわけでは決してないのですが、やはり直前になると、真剣度合いが自然と変わるのだと思います。(ちなみに、こうしたケースでも、十分な提言・議論の上で決定した事項なので、再度議論しても答えが変わることはほとんどないわけですが。)

対策は、検討に必要となる期間を先に見込んだ上で、その期間直後に社員説明会を実施するなどが良いでしょう。上記のケースは、制度策定がほとんど完了した後、説明会までに時間がある場合によく発生するためです。検討の時間を密なものにして効率的に進められることに加え、社員説明会終了後に出て来る質問への対応などが丁寧にできるというメリットもあります。

 

このように、非常に様々な場面でパーキンソンの法則は有効に機能します。是非、みなさんも活用してみてください。

執筆者

小田原 豪司 | 人事戦略研究所 シニアコンサルタント

大学で経営学全般を学ぶなか、特に中小企業の「ヒトの問題」に疑問を感じ、新経営サービスの門をたたく。
企業の「目的達成のための人事制度構築」をモットーに、顧客企業にどっぷり入り込むカタチで人事制度策定を支援している。