【森谷】1日10分で
タイトルが何を示すか。ピンと来た方は人事通かもしれません。
年間の労働時間は約2,085時間です。
(365日÷7日=52.14週 → 52.14週×40時間=2,085時間)
有給5日は計40時間ですので、年間2,085時間に占める割合は約2%となり、1日あたりに換算すると10分となります。
つまり、有給を5日消化するには、1日10分を短縮すればよいという計算です。
大企業と違い、中小企業で5日を消化するのは難しいという声を耳にします。
様々な業種・業態をご支援していますので、一概にそうは言えないというのは十分に認識しつつ、1日10分ならいけそうです。
改めてになりますが、この4月1日より、年次有給休暇の取得義務化がスタートしました。
ポイントのみ記載すると、
・年間5日以上の有給を取得させなければならない
・対象は、年10日以上の有給が付与される従業員
・5日は、会社が時季を指定して取得させることができる
・5日は、いわゆる半日有給を積み重ねても可。しかし、時間単位有給を積み重ねるのは不可
・違反した場合、従業員1人あたり30万円以下の罰金
・施行にあたり、中小企業に対する猶予期間はなし(全企業が対象)
といったところでしょうか。
例えば、全く有給を取得しない従業員Aさんを想定します。
40時間を誰かが肩代わりすれば取得できます。
仮に残業単価2,500円の人がカバーすると考えると、
・40時間×2,500円=10万円
となりますので、罰金30万円よりもかなり安くつきます(30万円はあくまで最大値ですが)。
半日有給を10回取得してもらう代わりに、誰かが少し残業すれば現有人員でカバーできそうです。
パーキンソンの法則をご存知でしょうか?
「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」というものです。
いつも20時に退社する社員は、1日の仕事量に関わらず20時を目途に段取りを組みますので、例え仕事量が少なくても退社は20時です。ただし、久しぶりに友人が帰省する等で、18:30に会う約束があると、いつもの仕事が何故か18時に完了するのは不思議な現象です。
有給取得や残業規制について、「達成するつもりで取り掛かる」のと、「最初から難しいと思って取り掛かる」のでは、結果に差がでて当然です。
いかに「出来そうだ」と思わせるか。追求してみてはいかがでしょうか。