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【小田原】本人評価はするべきか?

今回は評価制度の運用について考えてみたいと思います。

初めて人事評価制度を導入する企業様から「本人評価はした方が良いのか」とよく聞かれます。

 

本人評価には、

「①フィードバックへ活用できる」

「②本人が自分の仕事ぶりを振り返る機会とできる」

というメリットがある反面、

「③本人評価の結果に上司が引っ張られてしまい、適切な評価ができないことがある」

「④本人評価と上司評価が異なる場合、その理由を本人に十分に説明できず、評価に対する不満が生まれることがある」

といったデメリットが発生する可能性があります。

 

以上を踏まえた結論としては、「デメリットを排除できる場合に本人評価をした方が良い」と考えます。

ただし、なるべく本人評価ができる状態に持って行くのが理想的です。

そこで、デメリットを排除するための対策を以下に記載します。

 

③に対する対策として手っ取り早いのは「本人評価と上司評価を同じ紙で行わない(本人評価が見られない状態で本人評価を行う)ようにすること」です。

本質的な対策は、上司が自信を持って評価を行える評価スキルを身に着けることでしょう。

 

④に対する対策としては、「人事評価制度を導入後しばらくは、準備期間として本人評価を行わず、評価者が慣れた(本人に説明できる状態になった)段階で、本人評価も実施するようにする」ことがあげられます。

準備期間中にスキルを向上させることが必要で、具体策の例としては、評価者同士で集まり、自分の部下の評価理由を互いにプレゼンする場を設ける等が挙げられます。

この対策を行う場合、導入後1年~2年を目安に、評価者が本人に説明できる状態になるのが理想的でしょう。

 

「本人評価は必要」という単純な一般論だけでなく、こうした観点からの検討も行ってみてはいかがでしょうか。

執筆者

小田原 豪司 | 人事戦略研究所 シニアコンサルタント

大学で経営学全般を学ぶなか、特に中小企業の「ヒトの問題」に疑問を感じ、新経営サービスの門をたたく。
企業の「目的達成のための人事制度構築」をモットーに、顧客企業にどっぷり入り込むカタチで人事制度策定を支援している。