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【森谷】目標管理の6つの観点

新年あけましておめでとうございます。

 

「一年の計は元旦にあり」

ということで、改めて目標管理について書いてみます。

 

私の仕事で取り扱う目標管理は、

多くの場合マネジメントツールではなく評価ツールであるため、

それを前提に目標設定の6要素を挙げてみます。

本当は5要素か7要素にしたいのですが、私の今の結論は6要素です。

 

1.組織目標と連動したものか

例えば自己啓発そのものを目標にしている例を見かけますが、原則としてNGです。

あくまで仕事におけるパフォーマンスが評価対象ですので、

「ミッション遂行を通じてスキルアップした」

「スキルアップの結果ミッションを遂行した」

といった具合にどちらの書きっぷりでも結構ですが、

評価されるべきはミッションの遂行度で、スキルアップは加点要素でしかありません。

目標には、会社や部署のミッションの一つが記載されるべきです。

 

2.等級相応の目標であるか

人事評価において唯一無二の評価基準は、

「被評価者の等級を踏まえてパフォーマンスが高かったか低かったか」です。

よって、設定する目標の大前提は、被評価者の等級レベル相応であるべきです。

ただし、部署の都合により等級レベルを超えた高い目標を設定することもあります。

その場合は、単に達成・未達成だけで評価しないといった具合に、

評価時に調整することで適正な評価を行います。

 

3.業務の主要部分をカバーできているか

多くの会社では目標を3~5個で設定しています。

設定する数の割には、人事評価に占める配点が多いと思いますので、

業務の中で重要なものを適切にピックアップできているか否かが重要です。

逆を言えば、ルーティン中心の職種・等級は、目標管理への配点を下げた方が

よいかもしれません(これはこれでデメリットがあるのですが)。

 

4.適度にストレッチしているか

目標を設定する際に必須となるキーワード「ストレッチ」。

皆様の会社は、正しく「ストレッチ」を定義できているでしょうか?

これは意外と大きなテーマですので、また機会があれば掘り下げたいと思います。

 

5.目標の内容・達成基準は具体的か

「徹底する」「共有する」「図る」。

これらを目標設定で使用するのはNGです。

無理やり定量化することはお勧めしませんが、具体的である必要はあります。

これも大きなテーマですので、また別の機会で掘り下げたいと思います。

 

6.5段階での評価が可能か

多くの場合、評価は5段階で行われます。

「5点:目標を大きく上回る」「4点:目標を上回る」「3点:目標通り」

「2点:目標を下回る」「1点:目標を大きく下回る」といった定義でしょうか。

例えば「〇〇に関するマニュアルを整備する」といった目標をよく見かけますが、

マニュアルを整備すれば3点でしょうか?

もしそうなら、この目標で4点や5点はどうやればつくのでしょうか?

目標設定時に決めておく必要があります。

 

これらの要素は、適正な評価を行う上で重要です。

ただそれだけでなく、目標管理をマネジメントツールとして考える場合にも

非常に重要な要素になります。

全ての要素を満たすことができれば、社員の目標に対する意識が高まり、

行動につながり、部門ひいては全社の目標達成につながるとともに、

人事評価の最大の目的である人材育成にもつながります。

詳細はまた機会があれば解説いたしますが、

まずは設定された目標について6要素をチェックいただき、

目標達成に向けて第一歩を歩んでいただければと思います。

 

今年も、よろしくお願い申し上げます。

 

 

執筆者

森谷 克也 | 人事戦略研究所 所長

企業の成長を下支えする人事戦略の策定・活用が図れるよう、
経営計画・人事システム・人材育成を一連で考える
人事戦略コンサルタントとして実績を積んでいる。
企業支援においては、①企業風土(社風、経営理念など)を大切にすること、
②中期的視点(業界環境、管理者レベル等)を持つこと、
③そして何よりシンプルで分かりやすいことをモットーとしている。