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【岸本】諸手当設計の3つの勘所

世帯主に対して、月額50,000円を住宅手当として支給する

以前、担当させていただいたA社では、上記のようなルールを元々設けられていました。厚生労働省の「平成27年度就労条件総合調査結果の概況」によると、住宅手当の相場が17,000円(全産業平均値)であることを考えると、世間相場よりかなり高いことになります。A社社長にその意図を質問すると、以下のようなお考えでした。

 

・総額人件費の枠は決めているので、手当をいくらに設定しても総額人件費の枠を変えることはない

・うちの会社の社員は、20代の社員が中心。親に頼らず、自立して生活してほしいという想いから住宅手当を設定している

・このような背景から、それなりの金額を支給する方が社員へのインパクトが大きいと考え、あえて高く設定した

・結果的に、現状ほとんどの社員に手当を出しており、新卒社員も一人暮らしを選択している

 

A社社長の考えには、実は我々コンサルタントが諸手当を設計する際の勘所がすべて凝縮されています。勘所を整理すると、以下の3点となります。

 

①総額人件費を維持するか、上げる(下げる)かを予め確認した上で、制度改定に着手する

②何のために手当を支給するのか、目的を明確にしておく

③手当の支給水準は、費用に見合う効果が得られるか(例えば、「社員が魅力に感じて、モチベーションが上がるか」など)という観点をもって設定する

 

言われてみると当たり前のことかもしれませんが、意外にも上記を踏まえずに制度設計を進めてしまうケースをよく目にします。

諸手当は、基本給や賞与と比べると簡単に制度改定できると感じてしまうかもしれません。ただ、上記の勘所を押さえていないと、不用意な人件費上昇を招いたり、社員のモチベーションを下げたりすることもあります。手当の見直しを行う際は、3つの勘所を確認しながら進めるようにしましょう。

執筆者

岸本 耕平 | 人事戦略研究所 シニアコンサルタント

「理想をカタチにするコンサルティング」をモットーに、中堅・中小企業の人事評価・賃金制度構築に従事している。見えない人事課題を定量的な分析手法により炙り出す論理的・理論的な制度設計手法に定評がある。