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【森谷】第17回:年俸制は難しい(2)

(第16回を見ていない方は、まずそちらをご覧ください)

 

【反対理由2】実は分かりにくい

 

過去の経験則として、収入を年俸で捉えるのは経営層や優秀なビジネスマンです。

一般的には月給、更に言えば手取りで賃金を捉えています。

「分かりやすい」と思って年俸制にしたものの、逆に「分かりにくくなった」とう意見が挙がったりします。

人事制度が分かりにくいというのは、制度が浸透しない典型的な理由ですので、お進めしない理由の一つです。

 

【反対理由3】人件費が上がる

 

一般的な賞与制度では、賞与支給日までに退職した社員がいた場合、賞与を支給していません。これを年俸にしてしまうと、賞与分が月給に割振られますので、賞与支給日までに退職した社員にも賞与の一部を支払うことになります。

また、年俸を12分割して月給を支払う場合、端数が出ます。だいたいは100円単位で切り上げて月給にしますので、わずかですが人件費が上がりますし、それは残業の算定基礎額にも含まれます。

 

これらを考えると、年俸制のデメリットは多くあります。

 

しかし、ぜひ賛成したい場合もあります。

それは、経営層(例えば部長以上など)に絞る場合です。

今年度の取組みにではなく、未来(例えば3年先~10年先)に向けた取組みに力を入れさせたい層になら、単年度の業績で年収が変わらない方が良いと言えます。

 

年俸制の導入を検討されている企業様、再考されてはいかがでしょうか。

 

執筆者

森谷 克也 | 人事戦略研究所 所長

企業の内部環境・外部環境の変化を想定し、企業の成長を下支えする人事戦略の策定・推進が図れるよう、「経営計画-人事制度-人材育成」を一連でデザインする組織・人事コンサルタントとして実績を積んでいる。
カタチや理論に囚われない、「中小企業の実態に即したコンサルティング」を身上とし、現場重視で培った独自のソリューションを多く開発している。