3時間でわかる 同一労働同一賃金入門
著者:株式会社新経営サービス 人事戦略研究所 山口俊一
出版社:中央経済社
定価:2,500円(税別)
先進事例、関連判例、各社の対応状況を踏まえ自社に合った制度をつくるためのポイントを解説
同一労働同一賃金の新しいルールに積極的に取り組んでいけば、この状況をチャンスに変えることもできます。社内に「攻めの人事制度」を構築すれば、非正規社員を中心に人材確保や定着につながり、社内の活性化させることができるからです。ただし、これには人件費の大幅な上昇をともないます。
一方、現時点で必要不可欠な項目に絞れば、社内制度の改訂を必要最小限にとどめることもできます。そうすれば、一定のコンプライアンスを維持しながら、人件費の上昇を抑制することも可能です。
(本書「まえがき」より)
本書の構成
- 第1章.同一労働同一賃金と働き方改革関連法の関係
1.大企業に先行導入、中小企業は1年の猶予がある
2.今回の改正前から同一労働同一賃金は存在していた
3.法改正の「考え方」を読み解く
4.中小企業の定義
5.均等待遇と均衡待遇
6.派遣労働者の均等・均衡待遇
7.非正規社員に対して待遇差を説明できなければならない
8.訴えやすくなる(訴えられやすくなる)
9.法律に「同一労働同一賃金」という言葉は出てこない
10.「同一労働同一賃金」で、よく聞く疑問 - 第2章.同一労働同一賃金に関して押さえておくべき前提
1.雇用形態別の実態と傾向
2.雇用形態別の賃金水準
3.関連する法律:改正労働契約法
4.関連する法律:高年齢者雇用安定法
5.「抜け穴」問題 - 第3章.注目の判例と企業の対応
1.「契約社員に扶養手当不支給」は合理的か
2.「アルバイトにも賞与を支給すべき」と全国初の判断
3.「退職金不支給」でも全国初の判断
4.「定年後の給与水準引き下げ」に対する判例 - 第4章.人事担当者に聞いた対応方法 〜企業の取り組みアンケート調査結果
1.賛成と反対が拮抗
2.大手企業の取り組み状況 - 第5章.先進企業の事例紹介とポイントの解説
1.エフコープ生活協同組合
2.株式会社りそな銀行
3.コストコホールセールジャパン株式会社
4.アウトソーシングA社のコールセンター部門 - 第6章.賃金制度見直しの方向性
1.同一労働・同一賃金に対応した人事・賃金の考え方
2.企業がとるべき選択肢 - 第7章.自社の基本給・賞与・手当などの改定方針を考える
1.基本給:ガイドラインの解説
(1)基本給:正社員水準に合わせるケース
(2)基本給:正社員も含めて再設計するケース
(3)基本給:仕事区分を明確にし、現状の賃金を維持するケース
2.賞与:正社員に合わせるか、一定引き上げか、しばらく待機か
3.手当、福利厚生、教育訓練
(1)手当:ガイドラインに例示されている手当の見直し方
(2)福利厚生:ガイドラインに例示されている福利厚生の見直し方
(3)教育訓練:ガイドラインに例示されている教育訓練の見直し方
(4)手当、福利厚生、教育訓練を実務レベルで考えてみる
(5)家族手当をどうするのか
(6)住宅手当をどうするのか
4.人件費増加シミュレーションが重要! - 第8章.定年再雇制度の考え方、見直し方
1.定年後社員(定年再雇用者)の賃金水準実態
2.ガイドラインにおける定年再雇用者の賃金に関する記述
3.定年再雇用者の賃金に関する裁判所の判断
4.定年再雇用や高齢者雇用に関する最近の企業トピックス
5.定年再雇用者の賃金水準をどのように設計するか
6.賃金水準と勤務内容がポイント
7.コースや役割の仕組みをどのように設計するか
8.給与・賞与制度をどのように設計するか - 第9章.まとめ「やることリスト」
(1)企業が対応すべきこと
(2)処遇改定方針書の作成
同一労働同一賃金に基づく処遇改定方針書の記入例